留学恋愛
私がこの町を留学先に選んだのは少し田舎である事、パリよりも治安がよく物価も安い事、そしてジャンヌダルクの教会がある事であった。私はジャンヌダルクに憧れていた。強い意思を持った女性である彼女に強く惹かれるものがあった。彼女が最後を向かえたこの町に来る事で彼女の魂に少し触れられる気がしたのだった。学校の帰りは毎日ジャンヌダルクの教会に寄った。何をする訳でもなかったが彼女がいたと思われる場所に少しでも居たかった。それは初めて一人で海外に来ている不安を彼女のように強くなりたいという思いで消そうとしたからかもしれない。
(今日も帰りに寄ろう。)ジャンヌダルクの教会を横目に私は学校に向かった。バスは使わない事にした。家から学校まで歩いて20分程とわかり、町を覚えるためにも私は歩く事を心掛けた。(今日はユカさんに昨日あった人の出身を聞いてみよう。英語が母国語の人にしてはニュアンスが何か違う気がしたもの。) 私は彼の話し方に興味を持った。こんな事は日本にいたら気付きもしないし、考えも思いもしない事の様な気がした。なので聞いてみたかった。好奇心が留学は活発になる気がした。

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