留学恋愛
案の定金曜日に宿題が山の様に出た。わかる範囲を自分でやったが全部はやはり無理だった。私はマダムに今日は夕飯がいらない事を伝えて、家を出た。待ち合わせは坂の上にあるらしいバス停だった。着くと二人がもういた。日曜日だからかバス停は人がいなかった。「買い食いしよう。」とユカさんは日曜日でもやっているパン屋さんに連れていってくれた。ケーキを買い、外で箱から直接食べた。こんな風にケーキを食べるのは初めてだった。でもお行儀悪く食べたケーキは素晴らしく美味しく、楽しかった。ヨーグルト風味のケーキの上に飾ってあったオレンジ以外は。見た目は美しく多分キャラメルか何かでコーティングしてあるように見えたのだがムンドにそれ食べるの?と聞かれて、うんと答えて食べると恐ろしく苦く食べれた物ではなかった。私がまずいという顔をすると言わんこっちゃないといった表情で彼は私を見た。私が出したいと言うと彼は自分の使っていたティッシュを私の口元に差し出した。私はそこに吐き出したらムンドは大笑いしオレンジをティッシュでくるみ、自分の食べていたケーキを食べさせてくれた。ユカさんもずっと大笑いしていたが、「あなた達はとっても可愛い。」と満足そうに言った。
< 14 / 18 >

この作品をシェア

pagetop