留学恋愛
彼はこんな所で何しているのかという質問や自分はこの先に住んでるといった事を話していた気がした。彼のフランス語は舌を巻いて話すので聞き取りにくかった。でも優しい笑顔で話しかけてくれる彼に私も単語を並べて対応した。しかしあまり私がフランス語がわからないのを悟ったらしく、ざっと立ち話をするとじゃあ僕はこっちに行くと言ってまた明日と言い合い別れた。(彼はどこの国の人なのだろう)そんな疑問を持ちながら私は彼と反対方向に歩き出した。雪がちらちらと降ってきた。東京から持ってきたダウンコートはもうしぼんできた。(雪がこの町にはよく似合う)と一週間前よりは町を好きになっている自分がいた。