イジワルな初恋
十五歳
ーー
少しだけいつもと様子が違うことに、気づいていた。
私にちょっかい出すときも、真剣に話をするときも、時々痛くなるくらい真っ直ぐ向けてくれる視線。
だけど今日は、髪型も笑い方もいつもと変わらないのに、私の目を見てくれない。
階段の踊り場で、彼は立ち止まった。
『どうしたの?忘れ物?』
それでも彼は俯いたまま、その場を動こうとしない。
いつもなら先に行くよって言うのに、なんとなく私も、動けずにいた。
『ねぇ、ちょっと……今日変だよ?いつもうるさいくらい喋るのに』
『あのさ!』
『え?』
『俺、りりーのことが……好きなんだ』
ーー
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