イジワルな初恋
肩よりも少し長い髪をドライヤーで乾かしながら、無造作に置かれた郵便物にふと目を向け、チラシの間から少しだけ出ているハガキを手に取った。


〝屋島第二中学校三年二組同窓会の案内〟


「同窓会……」


同窓会のお知らせが実家に送られてきたのは三ヶ月前。迷いに迷った挙げ句出席に丸をつけた。


正直いって、中学ではつらいことのほうが多かったかもしれない。

何が気に食わなかったのか、入学して三ヶ月も経たない頃からイジメられるようになった。

イジメといっても、よくあるトイレで水を頭からかけられるとかそんなんじゃなくて、ただひたすら無視をされ続ける。

そのうち私はイジメられているんじゃなくて、自らひとりになることを選んでるんだって思うようにした。

幼稚な人たちと一緒にいる価値なんてない。そうやって壁を作ってきた。


< 4 / 85 >

この作品をシェア

pagetop