イジワルな初恋
みんな黙々と作業をし、私は十一時過ぎにアクセサリーの陳列や在庫の整理を終えることができた。この調子だと夕方にはインナーウェアの方も終わりそうだ。
私が今朝届いた段ボールを開けようとしたとき、中矢君がやって来た。
「おはようございます」
しゃがんでいる私の頭上に、中矢君の声が響く。
顔を上げることができず、小さな声で「おはようございます……」と言い段ボールを開いた私は、中身と伝票を見てすぐに気がついた。
「どうして……」
急いで昨日自分が書いた発注書を確認する。
「岩崎、どうした?」
異変に気づいた部長に声を掛けられたけど、自分の手が微かに震えているのが分かった。
「どうしよう……私……、すみません!」
そう言って頭を下げると、みんなが心配して集まってきた。もちろん中矢君も。
「私、昨日……間違えて以前作ったリストの物を発注してしまって……」
こんな失敗するなんて……。
店舗正面のメインディスプレイには、鞄とインナーウェアを飾る予定だった。
私が担当するインナーウェアからは、一番売れているメーカーの新作を中心に置くのと、定番の商品をオープン日限定価格で売り出すことに決定したはずなのに……。
「新作は届いてなくて、セール品も決定した数の半分か……」
冷静な口調で店長がそう呟いた。
昨日違うことを考えながら発注していたのは確かで、そのせいでこんな最悪な事態を招いてしまった。
私が今朝届いた段ボールを開けようとしたとき、中矢君がやって来た。
「おはようございます」
しゃがんでいる私の頭上に、中矢君の声が響く。
顔を上げることができず、小さな声で「おはようございます……」と言い段ボールを開いた私は、中身と伝票を見てすぐに気がついた。
「どうして……」
急いで昨日自分が書いた発注書を確認する。
「岩崎、どうした?」
異変に気づいた部長に声を掛けられたけど、自分の手が微かに震えているのが分かった。
「どうしよう……私……、すみません!」
そう言って頭を下げると、みんなが心配して集まってきた。もちろん中矢君も。
「私、昨日……間違えて以前作ったリストの物を発注してしまって……」
こんな失敗するなんて……。
店舗正面のメインディスプレイには、鞄とインナーウェアを飾る予定だった。
私が担当するインナーウェアからは、一番売れているメーカーの新作を中心に置くのと、定番の商品をオープン日限定価格で売り出すことに決定したはずなのに……。
「新作は届いてなくて、セール品も決定した数の半分か……」
冷静な口調で店長がそう呟いた。
昨日違うことを考えながら発注していたのは確かで、そのせいでこんな最悪な事態を招いてしまった。