イジワルな初恋
イジメの中心人物だった女子とまた同じクラスだったからか、二年になっても私への無視は続いていた。

つらくないといえば嘘になるけど、親に心配かけたくなっかったし、学校を休むことはできなかったから、やっぱり私はひとりが好きなんだって自分に言い聞かせてきた。


でも本音をいえば、もっと楽しい中学校生活を送りたかった。こんなふうになるなんて、想像もしてなかったから。

親友と呼べるような仲間ができて、昼休みには好きな人の相談をしたり、みんなでキャーキャー言いながら、バレンタインのチョコを作ったり。本当はそうやって過ごしたかった……。

結局このまま三年生になっても変わらず、卒業式には涙ひとつ流さずに、何の思い出もないまま終わっていくんだろうな。

そう思っていたのに……。


私に会いたい人なんて、きっといない。それどころか、あいつ誰だっけ?そう言われるのがオチだ。でも……。


「同窓会、来るのかな……」


そう呟きながら、十日後に迫った同窓会の案内状をしばらくの間眺めていた。


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