イジワルな初恋
足跡
新装オープンから三週間が経ち店も落ち着いたころ、私は遅めの夏休みをもらっていた。
連絡先の交換をしていない中矢君とは展示会の日以来一度も会っていないけど、三日間の夏休みが終わったら、部長に中矢君の連絡先を聞こうと決めていた。
その前に、少しだけ昔を思い出したくなった私は、休みを利用して実家に帰っていた。
実家といっても、ひとり暮らしをしている自宅から二時間もかからない場所にある。それでも忙しくてなかなか実家に行くことが出来ず、正月に顔を出した以来だった。
「出かけるの?今日はすき焼きにしようと思ってるけど」
「暇だからその辺ブラブラするだけ。すき焼きいいね。ちょっと行ってきます」
母にそう言い、私は家を出た。
中学までの通学路。
玄関を出て右に行き、最初の交差点を左に曲がって少し歩くと、下り坂になっている。
その坂の上で……
彼はいつも私を待っていた……。
連絡先の交換をしていない中矢君とは展示会の日以来一度も会っていないけど、三日間の夏休みが終わったら、部長に中矢君の連絡先を聞こうと決めていた。
その前に、少しだけ昔を思い出したくなった私は、休みを利用して実家に帰っていた。
実家といっても、ひとり暮らしをしている自宅から二時間もかからない場所にある。それでも忙しくてなかなか実家に行くことが出来ず、正月に顔を出した以来だった。
「出かけるの?今日はすき焼きにしようと思ってるけど」
「暇だからその辺ブラブラするだけ。すき焼きいいね。ちょっと行ってきます」
母にそう言い、私は家を出た。
中学までの通学路。
玄関を出て右に行き、最初の交差点を左に曲がって少し歩くと、下り坂になっている。
その坂の上で……
彼はいつも私を待っていた……。