イジワルな初恋
やっとの思いで声を掛けたのは三年になってからだった。
三年で初めて同じクラスになって、どうやって話し掛けようか相当悩んだ。
彼女がどうしてあんなことになっているのか分からなかったけど、普通に教室で話し掛けたりしたら、きっと嫌な気持ちにさせちゃうかもしれない。
だからとりあえず、朝の挨拶から始めることにした。
家を出て学校とは反対の方向に曲がり、坂を登る。彼女があの坂を降りてくるのを知っていたから。
坂の上に立っていると彼女がやって来るのが見えた。
挨拶しようと思ったのに、いざとなったらなかなか声が出ない。
彼女が俺の目の前を通り過ぎ、少し先を行ったところでやっと声を出せた。
『おーい、おはよう!』
振り向いた彼女は、まるでお化けを見ているかのような驚きの表情で俺を見た。
一度声を掛けたらこっちのもの。
『りりーって呼んでいい?』
しつこいとかウザいって思われたって構わない。りりーが笑ってくれるまで、坂の上で待つのも教室でちょっかい出すのも、俺は絶対止めない。
そしてあの日、彼女が言ったんだ。
『おはよう。……あの……今日、天気いいね』
その笑顔は少しひきつっていてどこかぎこちなかったけど、それでも俺はりりーの笑顔が見れて、本当にうれしかった。
三年で初めて同じクラスになって、どうやって話し掛けようか相当悩んだ。
彼女がどうしてあんなことになっているのか分からなかったけど、普通に教室で話し掛けたりしたら、きっと嫌な気持ちにさせちゃうかもしれない。
だからとりあえず、朝の挨拶から始めることにした。
家を出て学校とは反対の方向に曲がり、坂を登る。彼女があの坂を降りてくるのを知っていたから。
坂の上に立っていると彼女がやって来るのが見えた。
挨拶しようと思ったのに、いざとなったらなかなか声が出ない。
彼女が俺の目の前を通り過ぎ、少し先を行ったところでやっと声を出せた。
『おーい、おはよう!』
振り向いた彼女は、まるでお化けを見ているかのような驚きの表情で俺を見た。
一度声を掛けたらこっちのもの。
『りりーって呼んでいい?』
しつこいとかウザいって思われたって構わない。りりーが笑ってくれるまで、坂の上で待つのも教室でちょっかい出すのも、俺は絶対止めない。
そしてあの日、彼女が言ったんだ。
『おはよう。……あの……今日、天気いいね』
その笑顔は少しひきつっていてどこかぎこちなかったけど、それでも俺はりりーの笑顔が見れて、本当にうれしかった。