イジワルな初恋
私の世界は真っ暗で、友達なんていなくて、中学校なんか大嫌いだった。
でもそんな私の世界を、中矢君が変えてくれた。
日に日に目の前が明るく見えてきたのは全部中矢君のおかげで、中矢君がいたから私は笑えるようになって、高校生になって初めて女の子の友達ができたことを、本当は真っ先に中矢君に言いたかった。
ちゃんと言葉にできなかった私の気持ちを、全部中矢君に伝えた。
「本当にありがとう。あのころは自分の弱い心に負けてしまったけど、私は中矢君が大好きだった。これが、十五歳の私の気持ちです」
一瞬うつむきフーッと息を整え、再び中矢君を見つめた。
「でね、今から言うのは……二十五歳の私から、二十五歳の中矢君に」
「えっ……?」
「正直、最初は中矢君が昔と変わってしまったことに戸惑って、ショックだった。でも違ったんだ。
十年前とか今とかそんなんじゃなくて、私は……中矢太一が好き」
イジワルな中矢君も、真面目な中矢君も、全部好きなんだってやっと気づいた。
「俺さ……」
ずっと黙って聞いていた中矢君が少し恥ずかしそうに私を見た。
「俺、多分ずっとガキのまんまなんだ。同窓会で岩崎を見たとき、なんていうかあたり前だけどすごい大人になってて、綺麗になってたから、驚いた」
そう言って照れたような笑顔を浮かべる。
「同じ会社だって知ったのもつい最近で、だからどうやって接したらいいか分かんないから、とりあえずちょっかい出してみた」
とりあえずちょっかい出すって、私は思わず吹き出した。
「笑うなよ。子供の頃って好きな子をわざとイジメたりするだろ?それと同じだよ。
けど岩崎は部長が好きなのかなとか、あの担当の人となんかあるのかとか色々考えちゃって……」
「え、私が!?」
あまりにも驚いて声が裏返ってしまった。
「だから、俺がそっけなくしたのは……ただの嫉妬だよ。もう二十五なのに、中身は子供だって言いたくなるだろ?」
私はまたクスッと笑ってしまった。
ほんと、優菜ちゃんの言う通り部長と全然違う。だけど、私はそんな中矢君が好きなんだ。
でもそんな私の世界を、中矢君が変えてくれた。
日に日に目の前が明るく見えてきたのは全部中矢君のおかげで、中矢君がいたから私は笑えるようになって、高校生になって初めて女の子の友達ができたことを、本当は真っ先に中矢君に言いたかった。
ちゃんと言葉にできなかった私の気持ちを、全部中矢君に伝えた。
「本当にありがとう。あのころは自分の弱い心に負けてしまったけど、私は中矢君が大好きだった。これが、十五歳の私の気持ちです」
一瞬うつむきフーッと息を整え、再び中矢君を見つめた。
「でね、今から言うのは……二十五歳の私から、二十五歳の中矢君に」
「えっ……?」
「正直、最初は中矢君が昔と変わってしまったことに戸惑って、ショックだった。でも違ったんだ。
十年前とか今とかそんなんじゃなくて、私は……中矢太一が好き」
イジワルな中矢君も、真面目な中矢君も、全部好きなんだってやっと気づいた。
「俺さ……」
ずっと黙って聞いていた中矢君が少し恥ずかしそうに私を見た。
「俺、多分ずっとガキのまんまなんだ。同窓会で岩崎を見たとき、なんていうかあたり前だけどすごい大人になってて、綺麗になってたから、驚いた」
そう言って照れたような笑顔を浮かべる。
「同じ会社だって知ったのもつい最近で、だからどうやって接したらいいか分かんないから、とりあえずちょっかい出してみた」
とりあえずちょっかい出すって、私は思わず吹き出した。
「笑うなよ。子供の頃って好きな子をわざとイジメたりするだろ?それと同じだよ。
けど岩崎は部長が好きなのかなとか、あの担当の人となんかあるのかとか色々考えちゃって……」
「え、私が!?」
あまりにも驚いて声が裏返ってしまった。
「だから、俺がそっけなくしたのは……ただの嫉妬だよ。もう二十五なのに、中身は子供だって言いたくなるだろ?」
私はまたクスッと笑ってしまった。
ほんと、優菜ちゃんの言う通り部長と全然違う。だけど、私はそんな中矢君が好きなんだ。