たったその距離を縮めたくって
グイッ







「柚兄!?」

急に腕を引っ張られて柚兄が黙ったまま私にヘルメットをかぶせてきた。

なんで喋んないんだろう。

あ、翔憂ちゃんと喋ってたまんまだったんだ!

「翔憂ちゃんばいばい!」

翔憂ちゃんがポカンとして手だけ振ってくれた。

なんか柚兄機嫌悪くない!?

「…」

「美桜」

柚兄が私の名前を呼んだ。

「どうしたの?」

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