たったその距離を縮めたくって
7:58

ピンポーン

「あ、柚斗くんかしら。ちょっと待ってね」

いつものように柚兄が迎えに来てくれる

「美桜ー!柚斗くん来たわよーってあれ、美桜降りてきてたの?」

柚兄の声がして降りてきた私の存在を知らなかった母は「すぐ降りてくるなんて珍しい」と私に言った。

階段を降りている途中に柚兄と目が合う

「美桜、おはよう」

「柚兄、おはよう?」

柚兄が笑って「なんで疑問形なんだよ」と言ってきた。
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