失恋シンデレラ
「髪、綺麗だな」

「え…」

先生の意外な言葉に、私は顔を赤くする。

「何のシャンプー使ってんの?なんかお手入れしてんの?」

先生の質問攻めに、私は頭が回らなくなり混乱する。

先生が私の髪をほめてくれた!?

「特に何もしてないです…」

「それなのにそんな綺麗なんだな」

先生は机に肘をつき、私ににこっと笑いかけた。
私はドキドキか止まらない。

「…触ったらだめか」

少し低めの声で先生は言った。
その表情は真剣というか、なぜか寂しそうな顔な気がした。

「せん、せい……?」

私たちの間には、しばらく沈黙が流れた。
目があったまま、時が止まったようだった。

「あ…悪い。なに言ってるんだろう俺。完全にセクハラだな!ごめん」

「いえ……」

ずっと思ってたことがあった。
なぜだろうと、ずっと考えてもわからなかったこと。

いまなら聞ける気がした。

「先生に、質問してもいいですか」

「おお、他の問題か?」

「なんでそんな寂しそうな顔をするんですか」

笑顔だった先生の顔から、笑顔が消える。

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