恋季節~春夏秋冬~
「あっ 彩名!?」
「ぅ゛ー
夏先輩ずるいよぉ~」
零れてくる涙を拭いながら夏先輩と話す。
「へっ!?
ずるいっ!? 何がっ?!」
「だって私も夏先輩のこと好きなんだよー?
そんなこと言われたら嬉しくて嬉しくてしょうがないじゃんかぁー」
泣きながら訴える私に夏先輩は何故か
「……ははっ♪」
って笑う。
「なんで笑うの~!?」
「いや、彩名の泣く顔初めて見たから……
ちょっと不細工だなぁ…と」
ぶさ……
不細工なんて~~
私の心の中は嬉し泣きから怒りに変わる。
「夏先輩最低っ!
ひどいっ!!
この空気でそれ言うことじゃないっっ!
なんかお兄ちゃんみたいっ!」
そう言いながら夏先輩をポカポカ叩く。
けど、夏先輩も男なわけで。
私の叩く手をいとも簡単に掴んでは夏先輩の方に引き寄せられる。
「夏…先輩?」
自分が抱きしめられてるって実感したのは10秒後くらいで。
びっくりして抱きしめられてることに気づかなかった。