恋季節~春夏秋冬~
---1秋---
「秋ちゃんって頭いいね」
「この前の模擬テストもよかったんだって?」
「相原、お前の姉みたいに頑張れよ」
そんな言葉、もううんざり。
勉強は嫌いじゃ無い。
頭いいね、とか。
スゴイね、とか。
言われるの嫌いじゃないから。
自分の努力が認められたって思えると嬉しいから。
でも。
最近、自分の頭じゃ出来ないこともあることに気づいちゃったんだ。
「あーきは♪」
「…健(タケル)」
コイツは幼なじみの健。
お気楽バカ男。
あ、バカってとこ強調してね?
そこ、大事だから。
だってさ?
「秋葉浮かない顔してんじゃん♪
どうしたの?」
「アンタと違って私にはイロイロあんのー」
私の冷たい言葉にも健は
「えー?
秋葉ひっでェなぁっ」
なんて言っている。
健には何の遠慮も無しにズバズバ言える。
学校でも家でも私はあまり本音を吐けないし(ってか吐かない)、吐いちゃいけない気がする。
だから私はズバズバ言えちゃう健との関係が好き。
まぁ健にとってみれば
「オレそんな役回り!?」
ってなるだろうけど。