恋季節~春夏秋冬~
「例えば?」
「手繋ぐとか♪」
「亜由幼なじみでもするじゃん」
「ぅ、腕組むとか」
「それもする」
「好きって言うとか…」
「オレにも秋姉にも夏兄にも春姉にも健にも言ってる」
「ちゅ、ちゅうするとか……」
「それもみんなにしてる」
今の亜由には撃沈って言葉が似合うと思う。
それくらいに落ちてる。
「いーもん、いーもん。
どーせあたしは……」
体育座りをして指を道の上で円を書くように回す。
はぁ……小さい頃から成長して無いんだから。
小さい頃から亜由は何かあると、体育座りをして丸まってるんだ。
しょうがないなぁ…
「ほら、亜由帰るんでしょ」
そう言って手を差し出すと亜由の顔がパッと明るくなる。
「ふふ♪ 冬やっさしい~」
機嫌が良くなったと思えば、オレの差し出した手につかまる。
ぐいっと亜由を立たせて手を離そうとしたら、逆に手を繋がれる。