恋季節~春夏秋冬~
別に亜由は嫌いじゃない。
でも、こういう亜由はどうかと思う。
「はぁ……いい加減にしろよ」
それだけ言ってオレはさっさと歩き出す。
オレ洗濯物当番だから早く帰りたいんだよ。
家事は基本みんな春姉やってくれる。
でも洗濯ものを干すとか、取り囲むとか、たたむとか。
それくらいなら出来るし。
出来ることはやろうって夏兄と秋姉と3人で決めたんだ。
少しは春姉を手伝わなきゃ。
それに春姉は受験生だし。
まぁ春姉のことだからコツコツとやってんだろうけど。
それに、彼氏もいるし。
オレらのことに構って無いで彼氏といる時間も増やしてあげたい。
だって彼氏の話しする春姉は特別可愛いから。
兄弟には見せない女の顔になる。
もうオレら兄弟だけの“春姉”じゃ無いんだ。