恋季節~春夏秋冬~
---2冬---
「ただいまー」
家に帰ってただいまと言ってみても返ってくることはない。
昔は寂しいとか思ってたけど、もう慣れた。
1度自分の部屋に戻り、部屋着に着替えて学ランをハンガーにかける。
学ランは夏兄のお下がり。
若干汚い。
だから、
夏兄はいつも学ラン脱ぎっぱだったから汚い。
とか言ったら笑いながら
「悪ィ」
って言われた。
まぁ春姉がいつもハンガーに掛けてたから、めちゃくちゃ汚いなんてことは無いんだけどさ。
ぼーっと学ランを眺めてたら、目の端に落ち始めた太陽が映る。
洗濯物とりかこまなきゃな。
朝春姉が干してった洗濯物を取り囲んでリビングまで持ってくる。
リビングのソファーに座りながら春姉、夏兄、秋姉、オレ、父さん、母さんの洗濯物をたたんでゆく。
あ、先に米炊かなきゃ。
ソファーの上に洗濯物を置いて台所に立つ。
今日は秋姉の当番だけど……
多分帰ってくんの遅いだろうし。
ヒマがあるヤツがやりゃぁいいんだもんな。
最近の秋姉はちょっと、スッキリしてる。
ちょっと前まではなんか塞ぎ込んでる感じがしたけど、最近はちょっと吹っ切れてる感じがする。
見た感じ健のお陰。