恋季節~春夏秋冬~
「冬って本っ当酷いんだもん!」
「じゃぁそんな酷いヤツ彼氏にするのやめたら?」
「……い、意地悪…」
意地悪って。
本当のこと言っただけじゃん。
「あたしは冬がいいんだよ?」
「は?」
「だから!
あたしは冬がいいんだって!
冬が好きなの!」
昨日
あたしと冬が付き合えばいいじゃん
なんて言ってたのにもう好き?
好きなんて思うの早いんじゃない?
あぁ、そうか。
亜由は勘違いしてるんだ。
「亜由はさ、勘違いしてるんじゃない?
幼なじみの好きと、男としての好き━━…」
そう言ったらとんでもない罵声が飛んできた。
「バカにしないでよ!
あたしはバカだけど、そんなのわかんないバカじゃない!
いままで付き合った誰だって、冬より好きになれなかった!
みんなそれをわかってたから、別れを切り出すんだよ!?
バカ! 冬のバカ!!」
泣きながらオレを罵倒すると、亜由は走っていってしまう。