恋季節~春夏秋冬~
「あ、お兄ちゃんっ 私のもっ」
お兄ちゃんは意地悪だから、私の言うことを聞いてくれることなんてあまり無いんだけど。
物は試しで手を挙げて笑顔で言ってみる。
そしたら思いの外
「ハイハイ」
って返事をして部屋を出ていく。
お兄ちゃんが部屋を出てってから
「珍しいな、彩人が何も言わないなんて」
と夏先輩が言う。
そうなんだよね~。
珍しくお兄ちゃんが私の言うことを聞いてくれてる。
ちょっと怖い。
「そういや彩名、俺らの学校受かったんだってな?」
「うんっ」
私は夏先輩とお兄ちゃんが行ってる高校を第一志望にしていた。
だって夏先輩と同じ学校にまた通いたかったんだもん♪
「おめでと」
そう言って夏先輩がいいこいいこしてくれる。
こうやってやられるとやっぱ妹扱いしかされてないなーって思うけど
一緒にいられるなら妹でもいいかも
って思う私はげんきんだね。