恋季節~春夏秋冬~

こんな風に気を許して話す夏先輩なんて初めて見た。


お兄ちゃんといるときも私といるときも友達って感じで、遠慮してるところが少しあるもん。


なのに春さんには全然壁なんてなくて……


やっぱり彼女なのかなぁ……。



「夏野、彩名ちゃんが案内してくれたの」


「そーなん?

サンキューな、彩名!」



春さんと夏先輩が笑顔でお礼を言ってくれるけど



「あ、はい」



私はそんな風に笑ってられないよ…。



「じゃぁ私帰るね」


「おー 弁当さんきゅ」


「うん」



お弁当届けに来たんだ…


2人の話を聞けば聞くほど彼女ってことが明確になってくる…


嫌だな…


嫌………。



「彩人くんにもよろしく言っといてね」


「わかった」


「じゃぁ…さよなら、彩名ちゃん(ニコ)」



笑顔で私にも挨拶をしてくれる春さん。


こんな可愛い人に勝つなんてムリだよ…




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