恋季節~春夏秋冬~
「春、門まで行くよ」
夏先輩が送ると言ったけど
「いいよ。
ご飯食べないとお腹痛くなるよ?」
と春さんは諭す。
「けど…」
「じゃぁ私が送って行きますよ」
春さんといる夏先輩なんて見たくないけど、そんな困ったような顔している夏先輩なんてもっと見たくない。
「彩名? いいのか?」
「うん、午後は動き回らないし」
「そっか、ならよろしく!」
夏先輩が手をあげて走って行く。
夏先輩の走ってる姿、好きだなぁ……
なんて思ってると、困ったような顔をして春さんが私を見る。
「彩名ちゃん、本当にいいですよ??」
「私もっと春さんとお話したいですし」
口をついて出た言葉。
こんなのウソなのに。
なるべくなら見たくない顔なのに。
でも夏先輩に嫌われたりとかは嫌なの。
だったら私は嫌なことでも夏先輩のためなら。
何でも出来る。