恋季節~春夏秋冬~

「あのさっ!」

「あの!!」



俺と彩名の声がハモる。


へっ!?


ハモった……?


でも言わなきゃっ



「昨日っ」

「昨日のっ」



またハモった……



「……………」

「……………」


「………ぷっ」

「………クス」


「あははっ!」

「…ぁははっ」


「何今のタイミング!

俺らタイミング超合ってたじゃん!」


「ヘタしたら私達お兄ちゃんより合ってたよっ!」


「確かに!」



話すタイミングと話さない間のタイミングとが揃い、
それがお互いツボにはまってしまい大笑い。


ハタから見れば多分ってか絶対怪しい2人。


この面白い雰囲気を壊すのもどうかなー

って思ったんだけど。


その場しのぎとかはやっぱり後にも影響するしな。



「彩名」



俺が真剣に彩名を呼ぶと彩名が一瞬覚悟を決めたような顔をする。



「あのさ、春のことなんだけど――…」


「…お姉さんなんでしょ?」


「へ? あれ? 知ってた??」



思いもよらない答えに間抜けも間抜け。


すんげー変な声出たぜ?



< 99 / 158 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop