美月~大切なあなたへ~
「日明ちゃんは……戻って来るよね……?
“お~い席着け~”って…、月曜日には、教室に乗り込んで来るよね……?」
『みっちゃん……。』
“テメェに何が分かるってんだよ”
日明先生が龍心先生に言った言葉。
分かるも何も、龍心先生にだって、日明先生と同じように傷があるんだ。
比較したりしないで、お互いに癒しあわなくちゃ……。
『大丈夫だよ、みっちゃん。
またいつもみたいに、“おい!浜田うるさいぞ!”って言ってくれるよ。
だって、あの日明先生なんだから!……通じるかな……?』
私に後ろから抱き付いているみっちゃんは、少し震えていた。
怖かったもんね。
いつもは冗談でじゃれあえてた大人。
でも、やっぱり先生だって大人の男だもん。
それを実感すると、少し怖くなるよね…。
「ありがと、美緒ち…。」
私から離れたみっちゃんの頭を撫でた。
………沖田先生ごめんなさい。
やっぱり私は、
何もしないなんて無理です。