美月~大切なあなたへ~



「日明ちゃんは……戻って来るよね……?
“お~い席着け~”って…、月曜日には、教室に乗り込んで来るよね……?」



『みっちゃん……。』





“テメェに何が分かるってんだよ”




日明先生が龍心先生に言った言葉。


分かるも何も、龍心先生にだって、日明先生と同じように傷があるんだ。



比較したりしないで、お互いに癒しあわなくちゃ……。




『大丈夫だよ、みっちゃん。
またいつもみたいに、“おい!浜田うるさいぞ!”って言ってくれるよ。
だって、あの日明先生なんだから!……通じるかな……?』



私に後ろから抱き付いているみっちゃんは、少し震えていた。


怖かったもんね。


いつもは冗談でじゃれあえてた大人。

でも、やっぱり先生だって大人の男だもん。


それを実感すると、少し怖くなるよね…。



「ありがと、美緒ち…。」



私から離れたみっちゃんの頭を撫でた。






………沖田先生ごめんなさい。




やっぱり私は、




何もしないなんて無理です。










< 103 / 200 >

この作品をシェア

pagetop