美月~大切なあなたへ~
拗ねた顔で日明先生を目だけで見上げるみっちゃん。
『ねぇ……みっちゃん……なんで……知って……?』
動揺する私と日明先生。
だって……寝てたよね?
あの話の時…確かに……寝てたはずなのに……
「俺……日高だけだって聞いたんだけど……。」
沖田先生に聞いたんだろうな…。
そりゃ私も沖田先生も、みっちゃんは寝てる前提で話してたし……。
「寝たフリしてたの!!
聞いたのは途中からだけど……空気的に起きれなくて……だから……。」
なるほどね~。
私も同じ状況だったら起きれないな~。
納得した表情の日明先生。
そして……
「悪かったな、怖い思いさせて。」
悲しい、優しい表情で笑いかける日明先生は、みっちゃんの頭に手を乗せた。
すると、拗ねた顔のみっちゃんの目に涙が溜まった。
もう皆は部活か帰宅して居なくなっていて、みっちゃんは日明先生の服の裾にしがみついていた。
あれ……?
なんでだろ?