美月~大切なあなたへ~
「放送委員の生徒には連絡しました。
帰りの放送は僕がやるので、話の途中でもズカズカ入りますからね。」
放送室のドアを開けていてくれた龍心先生。
なんか……
どんな顔すればいいのかな……
無意識に表情が曇ってる気がする……
「あ!龍心先生!
日明先生にキチンと謝ってもらいました?」
すぐさま龍心先生に飛び付いたみっちゃん。
まるで犬のよう……
「謝ったよ!!」
ちょっと拗ねたように言う日明先生。
それを見た龍心先生は、ニヤリとした。
おっ!何か楽しい事が起こる予感♪
「まぁ謝ってもらったけど、ちょーーっと態度がデカかったかな?」
ちょっとを表現した親指と人指し指は、限界まで広げられていた。
やばっ!!
面白すぎる……(゚ω゚)
「おい!!!」
日明先生も笑って突っ込んだ。
うん。
この空気が1番好き。
「はは、冗談ですよ。
じゃあ、時間厳守でお願いしますね。」
「おう。」
日明先生は、龍心先生に少し片手を挙げて挨拶してから放送室に入った。
「お邪魔しまーす!」
元気よく突っ込んで行ったみっちゃん。
『失礼しまーす。』
最後に入ろうとすると…
後ろから頭をポンと優しく叩かれた。
乗ってる手の方を見上げると、龍心先生が優しく微笑んでいた。
そのままナデナデされて、肩を叩かれて放送室に入れられた。
振り替えると、重いドアがゆっくりと閉められていた。