美月~大切なあなたへ~
突然、後ろの職員室のドアが開いた。
私を呼んだのは龍心先生だった。
うわぁぁぁ……
遂に来ちゃったよ………
「変な声が聞こえたからもしかしたらと思って。
案の定、日高だったよ(笑」
変な声………
恥ずかしいよーー!!!
日明先生のせいだぁぁ!!!
「何?龍心先生、日高の声が聞こえたから出てきたの?わざわざぁ??」
楽しそうに聞く日明先生。
ニヤニヤしてるし……
「そうですよ。
日高は俺に会いに来たんですから。」
いやいやいやいやいや!!!
確かに間違ってはいないですけど、その表現だと……
なんか私が……
龍心先生のことを………
「へぇぇー。」
さらにニヤニヤした日明先生が私の顔を覗き込んできた。
ううぅ~~…
なんか今、私、顔赤い気がするよ~…。
うつむく私の顔の前に、チョークで少し汚れた袖が出てきた。
「………近いです。」
顔を上げると、龍心先生が日明先生の顔と私の間にさりげなく手を入れて、不機嫌そうな顔をしていた。
「ほぉ~。ほぉ~!
なるほどねぇ、実はねぇ、そーなるのかぁ、龍心くーん♪」
意味不明な言葉を吐きながら龍心先生にジリジリよってく日明先生。
「……近いです。」
日明先生からそっぽを向いた龍心先生。
そりゃあの顔で近付かれたら嫌ですよ、先生。