美月~大切なあなたへ~
次の時間が始まる少し前、日明先生が勢いよく扉を開けて教室に入ってきた。


「オラ~席つけ野郎ども~!!」




日明先生は昨日からキャラが完全に変わっていた。



「日明は元気だね…。
私達を散っ々疲れさしといて~…!!」


みっちゃんはかなり日明先生に怒っている。



日明先生……
ご愁傷様です!




「美緒ちは入りたい委員会とかあるの?」

委員会?あぁ、今決めるんだっけ。


『ん~特に無いかな。
入れって言われたら…放送委員会とか?』


「え~!?何か美緒ちぽくない~!」


わ、私っぽくない?
んじゃ、私っぽい委員会って何さ?



「はーい!静かにする~。
んじゃ、まず学級委員から決めるかぁ!
んで、後の進行を任せる!
ん!!最高。んじゃ、まず立候補~~。いない~?

じゃ、推薦。推薦ある奴、手挙げろ~~。」



日明先生は周りをほぼ無視して進行していた。

自分の世界っすか?




「はーい!推薦ありまーす!!」

元気よく手を挙げたのは、みっちゃんだった。

「コイツ!!この浜本がいいと思います!!」


は、浜本?みっちゃん思い切った事言うね…。


「……は?」


浜本…リアクション、遅っっ!!

「おっ!浜本かぁ。良いんじゃねぇ?
じゃ、推薦した理由は?」


「はいっ!真面目でしっかりしてて、彼になら任せられると思ったからです!」


みっちゃん、昨日とは正反対なイキイキした発言だね。


「はい、結構。
お前らも、浜田みたいに、しっかりした理由をつけて、面白いからとか、ちょっとした、からかいとかは、やめろな。」



…なんか日明先生が“先生”に見えた…。

別に今まで見えなかった訳じゃないけどね。




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