美月~大切なあなたへ~
「ほら、行くぞー。」
さっと振り返って、指導室へ向かう日明ちゃんに急いでついていく。
日明ちゃんの言う通り、指導室はクーラーが点いていて涼しかった。
むしろ、汗だくな体には寒いくらい……、
『へっ…へぷしっ!』
「んぁ?」
ぎゃぁぁ!!
あたしったらなんて汚いくしゃみを!
今、口を隠しても手遅れだから!
「あははは!
色気のないくしゃみだなぁ!
そんなんじゃ彼氏できないぞー?」
うー………。
日明ちゃんにそんなこと言われたら、本当に彼氏とか無理じゃないか!!
『日明ちゃんのばーか!』
「あははは!
悪い悪い。
いやー、面白かった!」
笑いすぎだってば!
………ん?
今、すっごい重大なことに気が付いたんだけど…、
今、この指導室って………