美月~大切なあなたへ~
授業が終わると、日明先生に浜本と一緒に呼ばれた。



「いや~。悪いな!
2人共、立候補じゃなかったのに。
ま、幸いウチの学校は委員会も係も、前期・後期制だから、前期だけでも、いっちょ、てきと~に頼むな!!」





日明先生はそれだけ言うと、教室から出て行った。




てきと~って、いいんかい、それで!?




「日高、今週の号令、頼んだ。」



浜本が私の肩を叩いて言った。


学級委員は授業の号令を担当するらしい。




『分かった。』




浜本とは、去年までケンカばっかしてた仲だけど、なんか真面目になったっぽいし、うまくやれるかも…学級委員。









「ぅおらぁぁ!野郎ども!!席着きやがれぇぇ!」



さっきと同様、見た目のようにヤクザっぽく、日明先生が教室に入ってきた。子供みたい…。
でも、そんなとこが親しみやすいんだよね。


そんな日明先生の雰囲気が影響してか、ウチのクラスは二日目にして、まるで一年同じクラスに居るような雰囲気が出来上がっていた。

女子は、仲良し組も関係なく、仲良くなっていた。



日明先生の冗談も、皆で突っ込むようになった。




私自身、日明先生の雰囲気に包まれて、このクラスがとても居心地の良い場所に感じてきた。







でも私はこの時、“中学校の先生=日明先生みたいな人”みたいなイメージを、なんとなく抱いていたんだ。



このイメージは、すぐに崩れるけど…。








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