美月~大切なあなたへ~
理科室の扉は少し開いていた。

てか、古っ!!


木がヤバイ…

青塗りの木の扉がかなり剥れてボロボロ…


古い学校だという事を実感した。




その扉をゆっくりあけて、中へ入った。






「おうっ!お前ら早いなっ!一番乗りだ。」







白衣を着て、黒板の前の机で何やら試験管をイジっていた日明先生が、黒ぶち眼鏡の爽やか笑顔を私達に向けた。














……かっこよすぎ……。










この理科室は教室と扉の付き方が同じだから、前の扉から入ると、すぐに黒板前の日明先生とこんにちは。



顔だけ向けて挨拶をする日明先生の姿にキュン死に寸前です…。




扉側、いわゆる廊下側は天窓以外に窓が無い。


結果、反対側の水道の上の窓は、風通しのために全開。





入って来る風に、日明先生の白衣がなびく。


一階だから、窓の向こうには木が見える。

一時間目だから朝靄が見える。





扉の前にいる私からは、日明先生が、まるでドラマの主人公のように、かっこよくて、絵になってみえた。








日明先生が笑顔を向けたたった一瞬で、これだけの事を考えられる(しかもオッさん相手に)私はとてつもない変態かもしれない。









< 28 / 200 >

この作品をシェア

pagetop