美月~大切なあなたへ~
そうこうしているうちに教室に着いた。


結局、龍心先生は追いつかなかった。




「はぁ~~~!!
おもかったぁぁあぁ!
これ、配っちゃう?」



ドサッと、大きな音をたてて、みっちゃんがワークを教卓に置いて、そのまま突っ伏した。


『そうだね。配っちゃお!』


2人でワークを配っていると、龍心先生が教室に入って来た。



「おっ。偉い。
このクラスの数学係は優秀だな。
てか、追いつけなくて悪かったな。」



私達に声をかけた龍心先生は、全員を席に着かせて、授業を始める準備もさせた。



「浜田、日高、ありがとな。」


素直に“ありがとう”と言われると、なんだか照れる。


みっちゃんも、なんだかんだで照れ笑いをしてた。



私達が席に着くと、ちょうどチャイムが鳴った。


「号令。」


『きりーーつ。礼。』

「『お願いします。』」

『着席』




遂に待ちに待った龍心先生の授業が始まった。







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