美月~大切なあなたへ~
「え~、まずは自己紹介だな。」


教卓に手を着いて、乗り出すかたちで話した先生は、黒板に向いて、縦書きで、


“斎藤 龍心”


と書いた。



教室が、先生が名前を書いた瞬間にザワザワしだした。


“あれ、なんて読むの?”

“分かんないよ!”


そんな会話が聞こえてきた。

読み方を知ってる私とみっちゃんはニヤニヤ…。






「はい、これ読める奴~。」


私とみっちゃんは手を挙げた。


「お前らは知ってるだろ!!
こいつら以外はいないのか?」



こんなの特別でも何でもないけど、“私達だけ”っていうのは嬉しかった。




「んじゃ、無理矢理読んでもらうかな。
今日は4月10日だから…、かけて、なんとなく2で割って、40÷2で、20番!」












「……はい?」











は、は、浜本~~~~!!!











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