美月~大切なあなたへ~
「だって狭すぎでしょ!?ウチのプール!!
ウチらは幼稚園児じゃないんですよ!?」





そう。


ウチの学校のプールは、めちゃくちゃ狭い。



プール自体は、25mで4コースある、普通のプール。



だけど、プールサイドは、縦は見学者が座ると1人しか通れなくなる位狭くて、横は2人が限界。


まともに集合したことが無い。


普通、授業の始めと終わりは、集まって先生が何か話すでしょ?




狭くてできないからぁ(笑





みっちゃんが嫌になるのも分かる。




プールサイドに上がるのも、一斉には上がれないから、気の使いあい。




男子がたむろしてたら、プチ切れ。




先生が立ってたら、はぁ?って感じ。





「うるさいぞ!仕方ないだろ、金ないんだよ、町も学校も!!
気使え!!俺だって可哀相だなって思ってるんだぞ。」





山本先生も苦労してるんですね…。



私は山本先生に哀れみの目を向けた。






「日高さん。そういう目で山本先生を見ないの。」




そう言って私の頭に手を置いたのは、体育の女の先生、沢木先生。




綺麗で大人でおおらかな人で、皆の憧れ。



私も密かに憧れている。


因みに沢木先生は既婚者です。






< 47 / 200 >

この作品をシェア

pagetop