美月~大切なあなたへ~
『な、ななな、なんで?
ありえないよ、だだだって、先生だよ?しかもオッさんだし、日明先生は結婚してるらしいし、それに……、』








私は明らかに動揺している。



早口だし、ちょっと噛んでるし、日本語おかしくなりそうだし。







私は、みっちゃんに言ってるんじゃなくて、自分に言い聞かせていた。










この一学期中に、私はずっと、“斎藤先生”の観察をしていた。



その中で、日明先生ばかりを見ていたのでは?




ときめいていたのでは?






何かもう分かんないよ!









「美緒ち。
一学期中ずっと一緒にいたんだもん。分かるよ?美緒ちの気持ち。
嘘ついちゃダメ。ホントはもう気付いてるでしょ?日明先生ばっか見てる自分に。」







みっちゃんが、穏やかな表情で言った。





私は、一学期中の自分を振り返ってみる。



そこには、日明先生ばかりを探している自分と、日明先生の言動、行動の一つ一つに一喜一憂している自分がいた。









みっちゃんに言われるまで、無意識にそれをしていた自分に、とても驚いた。








『みっちゃん……。
好き……なのかなぁ。』






「分かんないなら、確かめよう!」


『どうやって?』


「ときめきを聞くのさ♪」





ときめきを聞くぅ!?








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