美月~大切なあなたへ~
「美緒、なんで来なかったの?
ハナ達になんか言われたの?」


校庭から帰って来たナオが、不安と疑いの籠った目で訊いてきた。


『別に何も言われてないよ。
ただ、話が長くなっただけ。』


「そう……なの……」




ナオが暗い表情で目を伏せた。



「ねぇ…美緒…。
美緒は私のこと嫌いじゃない?」


『え?』



ナオが、目を伏せたまま訊いた。



『嫌いじゃないよ。』


「ホント?私と美緒は親友?」



え~~……

イキナリ“親友”ですかぁ(笑?



『私とナオは友達だよ。
私とハナ達も友達。みーんな友達♪』



きっと、私の笑顔はかなーり引きつっていただろう。


それか、漫画とかの、笑顔に汗がついた感じ。



“親友”とかってめんどくさい。


小学生で、“一生の友達”とかってできないでしょ。



……冷めた小学生だな…


自分で思うよ。



“一生の友達は、小学生じゃ、ほとんどできない”



これは、私が友達とケンカしたときに、私のお母さんが、よく言っている言葉だ。



ケンカぐらいで、大袈裟だよね……




「………」




ナオは黙っている。




“ナオは友達、ハナ達も友達”


これは本当。







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