美月~大切なあなたへ~
イキナリ扉が開いた。


返事もなかったから、思わずビクッとしてしまった。



私の目の前には、見慣れた黒基調のジャージ。



『お……きた……せんせ……?』



まだ驚きで心臓バクバク……



沖田先生が目の前に立っていた。



「…中に入ってろ。」



沖田先生はそれだけ言うと、私の横を通り過ぎ、職員室へ向かって行った。



まだ驚きで動けない私。


先生…返事くらいくれても……





保健室のドアは開けられたままだったから、とりあえず、挨拶をして中に入った。



「あら、日高さん。浜田さんは、なんでか眠っちゃったのよ。」



『ね…てる?』



拍子抜けしてしまった私。



保健の先生に促されて、みっちゃんの寝てるベッドに近付く。



あらまぁ……


泣きすぎたのかねぇ……この目は……



みっちゃんの目は赤かった。



さっきの場面を思い出して、また苦しくなってきた。




トントン…




静かにドアが開けられた。



入って来たのは沖田先生と教務主任の先生。



とりあえず一礼。




すると、教務主任の先生は、私をジッと見つめた後、沖田先生に一言、おねがいします、と言って去って行った。



保健の先生は、私も行きますね、と言って、教務主任の先生と同じように去って行った。






沖田先生はドアを閉めて、立ったまま私を見据える。



私も見つめ返す。





これから、私はきっと衝撃を受けるんだろう。










日明先生、龍心先生……










これから2人の影を、






知らされるんだ………












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