ドリンクバー
レモンスカッシュ
「日曜日の映画、あんたも来る?」
そう言ったのはあたしだ。
あの子に映画を見に行きたいと言われ、ダルいなと思いながら私はしぶしぶ頷いた。
そんなあの子の様子が最近おかしい。
明らかにアイツの事が好きっぽい。
お、新しいネタが増えるぞ。そんなことを思った私はアイツを誘うことにした。
帰宅後すぐ、アイツに連絡する。
「日曜日の映画、あんたも来る?あの子も来るし」
そんな誘いにアイツはのった。
「あー、行こうかなー。服も欲しいし。ショッピングモールでしょ?」
これはこれは…楽しくなりそうだ。
いや、その前に
「勘違いだったら悪いんだけど、あんたってあの子の事好きでしょ?」
「え?いや、まあ…察して」
図星かよ。あー、遊び行く前に聞くもんじ
ゃなかったかな。
「じゃあ、あたし行かない方がいい?」
私は笑いを含ませながらそう言った。
「いやいや!お前も来いよ!誘っといてそれはないわ」
「あ、そ。了解。とりあえず、あの子には行くって伝えとくね。」
「さんきゅ。じゃ、またな」
「はいよ。また」
ぷつっ
電話が切れると共に何故か涙が頬を流れた。
それは、高校生にして初めての恋に気づいた私に告げる失恋の合図。