ご褒美は唇にちょうだい
「負担だと思ってたんだね。それは申し訳なかったわ。もう二度とキスもそれ以上もお願いしない」
操がうつむいて呻いた。
歯を噛みしめるぎりっと言う音が聞こえる。
肩が震えているのは、怒りと悲しみが彼女を満たしているからだ。
それから操は低く言った。
「久さんなんか、大嫌い」
俺を拒絶する初めての言葉だった。
ざくりと心臓に刀を突き立てられたような感覚。
「大っ嫌い。あなたは人の気持ちがわからない。冷徹な機械みたい」
今まで、こんなことはなかった。操が俺を嫌う?
そんなことはありえない。操はいつだって、俺が好きで必死だったはずだ。
この時の俺は、少々理性を失っていた。
それは後からわかることだけれど。
どうして、小娘の戯言ととれなかったのか。
どうして、売り言葉に買言葉の口喧嘩で済ませられなかったのか。
どうして、大人の了見を見せられなかったのか。
次の瞬間、俺は操に大股で歩み寄っていた。
椅子にかけたままの操の顎をとらえ、上向かせると強引に口付けた。
操がうつむいて呻いた。
歯を噛みしめるぎりっと言う音が聞こえる。
肩が震えているのは、怒りと悲しみが彼女を満たしているからだ。
それから操は低く言った。
「久さんなんか、大嫌い」
俺を拒絶する初めての言葉だった。
ざくりと心臓に刀を突き立てられたような感覚。
「大っ嫌い。あなたは人の気持ちがわからない。冷徹な機械みたい」
今まで、こんなことはなかった。操が俺を嫌う?
そんなことはありえない。操はいつだって、俺が好きで必死だったはずだ。
この時の俺は、少々理性を失っていた。
それは後からわかることだけれど。
どうして、小娘の戯言ととれなかったのか。
どうして、売り言葉に買言葉の口喧嘩で済ませられなかったのか。
どうして、大人の了見を見せられなかったのか。
次の瞬間、俺は操に大股で歩み寄っていた。
椅子にかけたままの操の顎をとらえ、上向かせると強引に口付けた。