ご褒美は唇にちょうだい
操が他の誰かに隙を見せるのが許せない。
心に誰かを入れようとするのが許せない。
俺以外の男と特別な関係になるのが許せない。

なんだ、この答え合わせは。

行きついてしまったのは、嫉妬というシンプルで馬鹿らしい答え。
俺は小鍛冶奏に嫉妬していたのか。

そして、俺は操に言わせたかったのだ。あれほど、無視しようと思った操の本心を。
俺への好意を。


操は俺にしがみつく格好で嗚咽していた。
操もまた、言うつもりはなかったのだろう。選ばれないのを知っているから。

俺に煽られなければ、きっと操は生涯自分の気持ちを口にすることはなかった。

操の背を撫でた。
愛しい。
それは、間違いない。

女として見ていないだなんて、よく言えたものだ。
俺はもうずっと、彼女をひとりの女として想ってきた。焦がれてきた。


だけど、愛し合っていい仲でもない。

俺にとっては、やはり彼女は商品だ。
どれほど愛しくても、それ以上に彼女の成功が見たい。
彼女を多くの人間に求められる存在に押し上げることができるなら、他には望むべくもない。

俺の欲望は端からその一点に尽きる。
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