ご褒美は唇にちょうだい
「操ちゃん、ちょっといい?」
撮影の合間に廊下のソファに背を預けていると声をかけられた。
行き交うスタッフの間からメイクさんが顔を出す。
二上(ふたがみ)さんという男性で、他の現場でも何度もお世話になっている人。
見た目はクールビューティーなおしゃれ男子なんだけれど、中身は人見知りのマイペースという、ちょっと共通点を感じる人。
今回はスケジュールが空いた途中から、私専属で現場に入ってくれている。
「二上さん、なんですか?」
「口紅剥げてる。ちょっと色味も変えたいから。いい?」
私が頷く前に横に座って、私の顎をくいーっと持ち上げてくる二上さん。
相変わらずのマイペースだ。
「いひゃいれす」
「喋らないの」
間近で見る二上さんは見慣れた顔とはいえ綺麗だ。
中性的な人。久さんとは真逆だな、なんて思う。
確か年は一緒だったと思うんだけど、こんなに違う。
久さんは、男らしさの代名詞みたいな人だもん。
撮影の合間に廊下のソファに背を預けていると声をかけられた。
行き交うスタッフの間からメイクさんが顔を出す。
二上(ふたがみ)さんという男性で、他の現場でも何度もお世話になっている人。
見た目はクールビューティーなおしゃれ男子なんだけれど、中身は人見知りのマイペースという、ちょっと共通点を感じる人。
今回はスケジュールが空いた途中から、私専属で現場に入ってくれている。
「二上さん、なんですか?」
「口紅剥げてる。ちょっと色味も変えたいから。いい?」
私が頷く前に横に座って、私の顎をくいーっと持ち上げてくる二上さん。
相変わらずのマイペースだ。
「いひゃいれす」
「喋らないの」
間近で見る二上さんは見慣れた顔とはいえ綺麗だ。
中性的な人。久さんとは真逆だな、なんて思う。
確か年は一緒だったと思うんだけど、こんなに違う。
久さんは、男らしさの代名詞みたいな人だもん。