ご褒美は唇にちょうだい
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次に意識が戻った時、私は担架に乗っていた。
視界には看護師らしき人、そして久さん。
環の声も聞こえる。
病院かもしれない。私は倒れたのだろうか。
そこで意識はまた無くなり、さらに目覚めた時には私は病室のベッドの上。
深夜のようだった。
個室の病室は常夜灯だけで、私の横には久さんが椅子にかけていた。
うとうとと舟を漕いでいる。
珍しいな、こんな姿。いつも隙がないのに。
私が横目で見ていると、久さんがはっと目を覚ました。
「操さん!」
「撮影は?」
まず撮影のことを考えてしまう私はワーカホリックだ。
でも、一番気になることがそこなのだから、仕方ない。
久さんは首を振った。