ご褒美は唇にちょうだい
年末がやってきていた。
操のクランクアップを早める目的もあり、正月も撮影は続行だ。
順調にいけば、あと二週間で操はクランクアップを迎える。
ここにきて、操はいっそう疲れやすくなった。
以前より気を張っているせいだろう。また、休みも少ない。痛みは所かまわず襲ってくる。
「操さん、明日は久しぶりのオフですね」
俺は操の部屋で食事の後片付けを終え、お茶を淹れていた。
「うん」
操はソファになかば横になり、ぼんやりしていた。
夕食は操の好きな金目鯛の煮つけにしたけれど、あまり食べられなかった。
「病院の予約は夕刻です。日中はどこかに行きましょうか」
「いいね、世間はクリスマスだしね」
操がわずかに微笑む。疲れた笑顔だった。
本当は出歩くなんてしんどいに決まっている。
しかし、俺は操にもう少し楽しいことを思い出させたかった。
操のクランクアップを早める目的もあり、正月も撮影は続行だ。
順調にいけば、あと二週間で操はクランクアップを迎える。
ここにきて、操はいっそう疲れやすくなった。
以前より気を張っているせいだろう。また、休みも少ない。痛みは所かまわず襲ってくる。
「操さん、明日は久しぶりのオフですね」
俺は操の部屋で食事の後片付けを終え、お茶を淹れていた。
「うん」
操はソファになかば横になり、ぼんやりしていた。
夕食は操の好きな金目鯛の煮つけにしたけれど、あまり食べられなかった。
「病院の予約は夕刻です。日中はどこかに行きましょうか」
「いいね、世間はクリスマスだしね」
操がわずかに微笑む。疲れた笑顔だった。
本当は出歩くなんてしんどいに決まっている。
しかし、俺は操にもう少し楽しいことを思い出させたかった。