ご褒美は唇にちょうだい
「前、久さんに言ったでしょ。抱いてって。……あれ、やめてもらって正解だったなって」
「……なにを……」
操が何を言い出したのかわからなかった。
悲しい予感だけがした。
「久さんの恋人にしてもらってたら、申し訳なかった。病気になっちゃって。治療より、仕事を優先する女だし。……だから、恋人にしてもらわなくてよかったなぁって……思ったんだ」
その言葉は、とてつもなく痛かった。
いっそナイフを突き立てられた方がましだった。
俺は、操をこんなに寂しい場所に追いやっていたのか。
愛を交わせないことを当然と思わせてきたのだ。
それが俺たちの絆であり、永遠なのだと、純粋な情熱を盾に向かい合わなかった結果がこれだ。
操は、俺といながらひとりだったのだ。
頼っているふりをしながら、たったひとりで病と闘っていたのだ。
「……なにを……」
操が何を言い出したのかわからなかった。
悲しい予感だけがした。
「久さんの恋人にしてもらってたら、申し訳なかった。病気になっちゃって。治療より、仕事を優先する女だし。……だから、恋人にしてもらわなくてよかったなぁって……思ったんだ」
その言葉は、とてつもなく痛かった。
いっそナイフを突き立てられた方がましだった。
俺は、操をこんなに寂しい場所に追いやっていたのか。
愛を交わせないことを当然と思わせてきたのだ。
それが俺たちの絆であり、永遠なのだと、純粋な情熱を盾に向かい合わなかった結果がこれだ。
操は、俺といながらひとりだったのだ。
頼っているふりをしながら、たったひとりで病と闘っていたのだ。