ご褒美は唇にちょうだい
「久さん……久さんの人生を……今度こそ縛ってしまうよ?いいの?」


操が泣きながら問うてくる。
いい。そう望んでほしい。


「ああ、操が俺を選んでくれるなら、俺は未来永劫おまえひとりのものだ」


操の答える声を待たず唇をふさいだ。

柔らかく触れ合った唇も、絡めた舌も、心地よく愛おしかった。
操の涙を舐めとり、いたわるように抱き上げると操は俺の肩に顔を押し付け、ささやいた。


「久さんが欲しい。愛してる」


「愛してる、操。長く、ひとりにさせてすまなかった」


寝室に向かい、操を横たえる。
その晩、俺たちはゆっくりと愛を交わした。
操の身体を気遣いながら探るように抱き合った。


「ありがとう」


抱き合いながら、操は何度もそう呟いた。





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