ご褒美は唇にちょうだい
「また、夜のお楽しみにしようか」
「明日の撮影は昼からですし、今夜は時間に余裕がありますね」
余裕って……キスだけじゃすまないってことね。
私が照れて笑っている耳元で、久さんはささやいた。
「仕事には障らないようにしてやるよ」
二重人格。私は小さく文句を言って、名残惜しい唇を離した。
愛しい人とこの先も生きていく。
大事なものを手に入れた私はきっと無敵。
もう何も怖くないし、どんなことだってできてしまいそう。
ドアのチャイムが軽やかに鳴った。
(end)
2016.5.18
「明日の撮影は昼からですし、今夜は時間に余裕がありますね」
余裕って……キスだけじゃすまないってことね。
私が照れて笑っている耳元で、久さんはささやいた。
「仕事には障らないようにしてやるよ」
二重人格。私は小さく文句を言って、名残惜しい唇を離した。
愛しい人とこの先も生きていく。
大事なものを手に入れた私はきっと無敵。
もう何も怖くないし、どんなことだってできてしまいそう。
ドアのチャイムが軽やかに鳴った。
(end)
2016.5.18