ご褒美は唇にちょうだい
社長がひたすらに人の良い男で、あまりに野心が無さそうで心配ではあったけれど、こういう企業は風通しも良さそうだ。
「真木くんに担当してもらいたい子がいるんだ」
そう言って事務所で引き合わされたのが18歳の操。
(鳥飼操だ)
まず、そう思った。最近見なかったけれど、俺が学生時代には天才子役としてドラマに映画に引っ張りだこだった少女だ。
というか、俺は所属しているタレントが誰かも知らずにこの会社に入ったのか。自分の情熱の低さにも驚く。
操は高校三年生だった。
長い黒髪を背に垂らし、ブレザー姿の操は顔立ちこそ綺麗だけど、華やかなオーラはなく、どこにでもいそうな高校生だった。
「初めまして。真木久臣と言います」
「初めまして、鳥飼操です」
操が低く答え会釈すると、滑らかな黒髪がさらりと胸元に落ちた。
さすが、高校生と言えど芸能人。些細な仕草が美麗なことに納得する。
「真木くんに担当してもらいたい子がいるんだ」
そう言って事務所で引き合わされたのが18歳の操。
(鳥飼操だ)
まず、そう思った。最近見なかったけれど、俺が学生時代には天才子役としてドラマに映画に引っ張りだこだった少女だ。
というか、俺は所属しているタレントが誰かも知らずにこの会社に入ったのか。自分の情熱の低さにも驚く。
操は高校三年生だった。
長い黒髪を背に垂らし、ブレザー姿の操は顔立ちこそ綺麗だけど、華やかなオーラはなく、どこにでもいそうな高校生だった。
「初めまして。真木久臣と言います」
「初めまして、鳥飼操です」
操が低く答え会釈すると、滑らかな黒髪がさらりと胸元に落ちた。
さすが、高校生と言えど芸能人。些細な仕草が美麗なことに納得する。