いつか私の罪滅ぼし
あたたかき日々
夏の東京はとても暑い。上からは人間を見下すかのような太陽が照りつける。下からもアスファルトが気温をあげる。しかも風も全くない・・・

『夏の都会は地獄だな・・・』

そう思い額の汗をぬぐった。

『お~い集ぅ~!来栖 集くぅ~ん!』

僕の耳元でわざわざ僕のフルネームを呼んでいる甲高い声の正体は、幼馴染みでアホ丸出しの頭の悪そーな(まぁ大学は一緒だけど)胸デカ女。その名も堤 晴香(20)。

『なんだよハルちゃん。耳元でうるさいなぁ。こっちは暑くて干からびそう何だよぉ』

『うっわぁ。ダラシなぁい。せっかくの大学旅行なんだから楽しもーよぉ!』

『お前らはいつも仲いいなぁ~。あぁ~羨ましい!まぁ俺は今回の東京旅行で絶世の美女を捕まえて一夜を共に過ごすけどな!』

このチャラ発言をしているのは大学が同じのイケメン美男子(僕と同じ童貞)の名前は、瀬戸 俊(20)。女子の前ではテンパって何を言っているか分からないくらい早口になる。まるで北斗百裂拳をしているかの如く早口だ。

『どうせシュンは女子とは会話できないだろ。』

『それに関しては集!・・・同じじゃないか。』

『僕は君よりは女子と会話はできる。君みたいに話しかけてきた女子にイキナリ北斗百裂拳はカマさないよ。』

『好きで百裂拳していませぇ~ん』

『まぁ・・・どっちもどっちじゃない?』

溜息をこぼしながら、でも少し笑いながらハルちゃんが言った。
まぁいつもこんな感じで暖かい時間をいつも過ごしている。

こんな暖かくゆっくりとした時間はいつまで続くのだろう。大学を卒業するまでなのだろうか。まぁ就職してもこの関係はずっと続くだろう!

そう思っていた・・・そう思っていたい。

カランカラァ~ンと夏の音がする。

『あっ!風鈴だぁ!私の両親好きなんだよねぇ!』

ハルちゃんが嬉しそうに言った後、僕は黒目を下に下げる。

『あっ、ごめん集・・・私・・・』

『いいよっ!今さら気を使わなくても!』

僕は無理に笑顔を作り言った。
そう。・・・僕の両親は他界している。死んでいるのである。親が死んだ理由は謎になっている。謎にしている。

カランカラン・・・カラカラカラカラ
カラカラカラカラカラカラカラ!














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