運命を。
梅田って名字。

私は梅田が嫌い。

性格とかなんて関係ない。

ただ、梅田って人とは仲良くなりたくないの。

私はため息混じりでトイレを出た。

「あ、合コンの♪」

すると、男子トイレから“梅田翼”って男が…。

「名前…、まだ聞いてねっけど…。何?名前…」

微笑みかけて聞いてくる。

『…北川花南っ』

私は少々不機嫌そうに答えた。

「北川花南ちゃん…?よろしくね~!俺、翼。梅田翼」

不機嫌な私に対してニコニコ笑う。

私に気を遣っているのか…。

それとも空気が読めないのか。

バカみたい…。

「“梅ちゃん”か“翼”って呼んでよー!」

『……』

私が何でそう呼ばなきゃいけないの…?

そんな義理、ないでしょ…?

「…何か、花南ちゃん俺に対して不機嫌?」

やっと気づいたのか…。

『別に…っ』

私はやはりニラみつけて答える。

「…花南ちゃん」

目の前にいるその男とは目線を合わせず下を向いた。

呼ばれたが、無視。

…すると。

………え。

スッ…

顔が…、近づく。

そっと…。

唇が。

チュ…ッ

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