運命を。
私は下を向いた。

嫌だ…。

「梅田…花南っ」

『やめて!!』

嫌なの。

そんな名前、聞きたくない。

「…ほら。花南、嫌でしょう?」

ビクビクしている私。

肩が少し震える。

「私は花南の、哀しい顔は見たくないっ」

キッパリと言う彼女が少し恐い。

悪魔…に見えた。

『嫌…、いや!いやっ!!』

「…花南!?」

私は勢いよく階段を降りた。

後ろから朱音の声が聞こえた。

しかし、私はそのまま走った。

走ってなきゃ感情が抑えられない。

…ドスッ

『…きゃっ!』

前を向かず走ってたからか、ぶつかった。

でも、痛くない。

「…大丈夫?」

『えっ?』

私は下を向いた顔を上げる。

そこには見知らぬ人…。

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